2022年3月に会社員の最終出勤日を終えて、サイドFIREを開始しました。
「元リーマン埼玉」(@saitamawoker)です。
資産3000万円でサイドFIRE達成後の生活について綴ります。
触れたいテーマは以下のように複数あります。
- 収入と支出
- 社会保険
- 税金
- 時間
- 日常生活
- 社会との関わり(仕事など)
突然ですが、皆さん!!
毎年10月の給与明細をご確認ください!
手取りの金額が変更されている可能性が高いです。
そして、毎年2月から社会保険料の節約の準備をしてください。
その年の10月から社会保険料を節約できます。
ということで、
今回は社会保険料の節約をテーマにします。
みなさんは、社会保険料を節約できることをご承知でしょうか?
実はできるんです!
結論から申し上げますと、ある程度自分で残業時間をコントロールできる方、あるいは引っ越し等通勤手当や住宅手当を削減できる方は、社会保険料を節約できます。
私もこれを実践し、年間で約5万円を節約しました。
それでは本題に入ります。
なお、関連動画は以下です
社会保険料(厚生年金、健康保険料)はどのように決定される?
社会保険料を決定するポイントは次の通りです。
これは、厚生年金と健康保険の両方とも同じです。
- 改定時期
- 毎年9月
- 給与への反映
- 毎年10月
- 改定の算出方法
- 毎年4月,5月,6月の支給額を基に7月に算定
厚生年金と健康保険料ともに、9月に保険料が改定されます。
これを「定時改定」といいます。
保険料は翌月の給与から控除されます。
したがって、10月の給与から控除される保険料が変更されます。
保険料は法改正や昇給、減給等の要因により変更されます。
社会保険料の金額を決める基礎となるのが、「標準報酬月額」です。
毎年1回7月に標準報酬月額が決定されます。
これは、4月、5月、6月の支給額を基に算定します。
標準報酬月額は、
- 基本給
- 役付手当
- 通勤手当
- 住宅手当
- 残業手当
なども含めて算定します。
注意点は、残業や役職手当に加え、通勤手当や住宅手当も含まれているということです。
基本的には、労働の対価として支払われものが対象です。
ただし、以下のような臨時の支給は対象外です。
- 結婚祝い金
- 出産祝い金
- お見舞金
- 出張旅費
- 年3回までの賞与
なお、賞与は別途、賞与支給時に社会保険料が控除される仕組みです。
節約はいつから、どのように行うのか?
節約の概要
結論から申し上げると、節約対策の実行は3月~5月に行います。
現在位置の確認など対策の準備は2月には始めるとよいです。
具体的な節約方法は、残業代のコントロールです。
その他、引っ越し等で通勤手当や住宅手当を削減するという方法もありますが、非現実的なためこの方法は割愛します。
前提として、皆さんが務める会社の毎月の給与計算が末締めの翌月払いとします。
例えば、3月の残業代が4月に支払われるという仕組みです。
保険料算定の対象期間は、4月、5月、6月に支給された金額を基に算定します。
したがって、3月、4月、5月の残業時間を調整する必要があります。
手順は以下の通りです。具体例は手順説明の後、記載します。
節約の手順
手順は次の通りです。
- 社会保険料の現在位置確認
- 節約目標確認
- 費用対効果の確認
順番に見ていきましょう。
社会保険料の現在位置確認
給与明細等でご自身の標準報酬月額と自己負担を確認します。
また、日本年金機構や加入する健康保険組合または協会けんぽ等のHPで前後の等級の標準報酬月額と自己負担額を確認します。
具体例を挙げます。
- 給与明細例 ※数値は架空です
- 基本給 :25万円
- 役職手当: 1万円
- 残業手当:10万円(時間外労働は40時間とする)
- 住宅手当: 2万円
- 通勤手当: 2万円
※住宅手当や通勤手当が半年に1回支給でも、月割りで計算に含めます。
総支給=400千円 です。
したがって、報酬月額395千円以上です。
等級は次の通りです
※本データは2022年8月のものです。年度により金額等は異なる可能性があります。
- 厚生年金:24等級
- 標準報酬 410,000円
- 報酬月額 395,000円以上~425,000円未満
- 自己負担 37,515円
- 健康保険:27等級
- 標準報酬 410,000円
- 報酬月額 395,000円以上~425,000円未満
- 自己負担 17,425円 ※関東ITソフトウェア健康保険組合の場合
次に、下の等級を調べます。(例では1つ下の等級のみ記載しますが、実際は3等級くらい下まで調べるとよいです)
※本データは2022年8月のものです。年度により金額等は異なる可能性があります。
- 厚生年金:23等級
- 標準報酬 380,000円
- 報酬月額 370,000円以上~395,000円未満
- 自己負担 34,770円
- 健康保険:26等級
- 標準報酬 380,000円
- 報酬月額 370,000円以上~395,000円未満
- 自己負担 16,150円 ※関東ITソフトウェア健康保険組合の場合
節約目標確認
等級を下げるために、必要な収入目安や残業時間を算出します。
ここでは、1つ下の等級を目指すとします。
具体例です。
- 現在の標準報酬 410,000円
- 厚生年金と健康保険ともに1つ下の等級 標準報酬 380,000円
- 報酬月額は395,000万円未満
- 現在の収入は40万円
- 差額=現在の収入40万円-報酬月額39.5万円=5,001円
この差額分、残業手当を減らす必要があります。
すなわち、
3月、4月、,5月は残業を2時間以上減らします。
したがって、
2時間×3カ月=6時間以上
減らせばOKです。
具体例だと、40時間の時間外労働が発生していますので、3月、4月、5月は毎月38時間未満に抑えるということです。
費用対効果の確認
ここでは、A「3~5月に削減する残業代」とB「1年間に削減できる社会保険料」を比較します。
A<Bであれば、削減効果があるため、残業代(残業時間)の調整を行います。
A>Bなら削減効果がないため、今まで通り残業をします。
なお、残業をやりすぎで等級が上がることには注意です。
6月以降に業務が落ちつき、残業代が減っても社会保険料の改定は原則行われません。
固定給の変動等がある場合、随意改定という仕組みはあります。
具体例です。
なお、簡単な具体例のため、所得税等を加味した詳細な手取りの計算までは行いません。
手順2より、1つ下の等級に下げるため、合計6時間の残業削減により、給与は2500円×6時間=15,000円減ります。
社会保険料について、1つ下の等級に下げることによる自己負担と節約の効果は
- 厚生年金:月額 37,515円 - 34,770円 = 2,745円
- 健康保険:月額 17,425円 - 16,150円 = 1,275円
- 合計:月額 4,020円
- 年間節約額:4,020円×12カ月 = 48,240円
となります。
4~6月の減収 15,000円 < 社会保険料削減 48,240円
より、節約効果が見込めるので、
3~5月の残業を合計6時間減らす(毎月平均2時間超減らす)
という対策を実施するということになります。
これにより、
年間の実質節約効果は
社会保険料削減 48,240円 - 4~6月の減収 15,000円 = 33,240円
となります。
3~5月の残業時間を少し調整するだけで、年間約3万円以上の節約効果があります。
社会保険料節約の注意点
厚生年金においては、等級が下がると、将来受け取る年金額が減ります。
また、健康保険はケガ等の傷病手当金や、出産手当金の金額が減ることになります。
したがって、必ずしも節約すればよいというわけではありません。
ご注意ください。
以上です。
少しでも皆様のお役に立てれば嬉しいです。