2022年3月に会社員の最終出勤日を終えて、サイドFIREを開始しました。
「元リーマン埼玉」(@saitamawoker)です。
資産3000万円でサイドFIRE達成後の生活について綴ります。
触れたいテーマは以下のように複数あります。
- 収入と支出
- 社会保険
- 税金
- 時間
- 日常生活
- 社会との関わり(仕事など)
今回のテーマは、社会保険に絞ります。
皆さんは、会社退職後の社会保険(年金や健康保険など)がどうなるのか気になりませんか?
私自身もその一人です。
私の実体験をもとに、皆さんの不安やお悩みを解消したいと思います!
目次
なぜ、社会保険がテーマなの??
テーマの背景は次の通りです。
私自身2022年4月に会社を退職後、社会保険労務士の資格取得を目指し、試験勉強に集中していました。
理由は、会社員退職後の年金や健康保険などの仕組みや保険料が全くイメージがわかず将来の不安を感じたため、社会保険の仕組みについて理解を深めたいと思ったからです。
また、会社員時代の組織活動や中小企業診断士として中小企業支援をしているなかで、企業活動のうち「ヒト」の問題に着地するケースが多々あるため、諸問題を解決するために労務の知見も深めようと思いました。
ここで、なぜ、社会保険と労働が関わっているかについて簡単に触れます。
端的にいえば、「しっかり働いて、国民のために社会保険料を収めてね」ということです。
しっかり働くために、労働基準や労働安全衛生、労働災害保障や雇用保険等が整備されています。
そのため、労務と社会保険は密接に関連しています。
サイドFIRE後は社会保険労務士試験に集中した
さて、サイドFIREの生活は、週2日はフリーの仕事をしつつ、週5日は勉強の日々です。
2022年8月28日の社会保険労務士試験を受験し、合格発表は10月となります。
自己採点は、
- 選択式 30点/40点満点
- 択一式 42点/70点満点
で恐らく不合格です。
毎年65%前後の得点が合格点です。
なお、雇用保険科目(択一2点/10点満点)で足切りの可能性が大きいです。
ただ、試験勉強を通じて、社会保険や労務関係の全体像はつかめました。
なお、不合格なら2023年も受験に挑戦します。
会社員の社会保険料はどうなっているのか?
さて、本題です。
会社員時代の時代の社会保険は
- 厚生年金保険料(いわゆる1階と2階の部分)
- 健康保険料(介護保険含む※40歳以上)
が給与から引かれていたと思います。
その他、社会保険以外に雇用保険も引かれています。
こちらは社会保険ではないため、本テーマから除きます。
また、所得税や住民税も同様、社会保険ではないため本テーマから除きます。
なお、所得税や住民税は社会保険と異なり、会社折半がないため、退職後も所得が同じなら負担は変わりません。
また、住民税は前年の所得に基づきます。
さて、社会保険ですが、これらは、なんと折半(50%は会社負担)です。
※健康保険料は50%以上会社負担もOKです。(ANAのコストカットの際、話題になりました。たしか約70%を会社負担?)
なお、厚生年金と健康保険は収入により保険料が増減します。
会社員退職後の社会保険料はどうなるのか?
それでは、会社員を退職するとどうなるのかについて述べます。
年金
年金は厚生年金から国民年金に変更となります。
国民年金保険料は収入によらず、令和4年は月額16,590円です。
その他、将来の年金の増額のため、付加年金や国民年金基金、確定拠出型年金(ideco)等があります。
付加年金は月額400円の負担です。
2年でもとが取れるのでコスパOKです。
したがって、年金の負担額は、会社員時代に比べ減額するのではと思います。
ただし、将来受け取る年金は報酬比例部分がなくなるため、減ってしまいます。
健康保険
国民健康保険に変更になります。
保険料は市区町村で異なります。
なお、退職後20日以内の申し込みで、2年間は会社の健康保険組合の任意継続被保険者になれます。
ただし、保険料負担は全額です(会社員時代の2倍)
市区町村で異なるなら、どうせなら、安いほうがよいですよね!
ということで参考情報です。
都道府県の平均の違いや市区町村の差を見ていきます。
市町村で異なる国民健康保険の保険料
標準化保険料算定額でお住まいの自治体の差を見ます。
標準化保険料算定額とは、所得が全国平均並みの人が該当の都道府県内で払うと想定される保険料額です。
以下の表は都道府県のデータです。
順位 | 都道府県 | 標準化保険料算定額(年額) | 順位 | 都道府県 | 標準化保険料算定額(年額) |
---|---|---|---|---|---|
1 | 埼玉県 | 102,533円 | 24 | 香川県 | 123,594円 |
2 | 神奈川県 | 103,669円 | 25 | 新潟県 | 123,615円 |
3 | 愛知県 | 106,055円 | 26 | 鹿児島県 | 123,928円 |
4 | 東京都 | 107,388円 | 27 | 山梨県 | 124,263円 |
5 | 茨城県 | 108,861円 | 28 | 京都府 | 124,878円 |
6 | 千葉県 | 110,937円 | 29 | 福岡県 | 125,562円 |
7 | 群馬県 | 113,813円 | 30 | 兵庫県 | 127,073円 |
8 | 静岡県 | 113,860円 | 31 | 秋田県 | 129,560円 |
9 | 長野県 | 114,052円 | 32 | 石川県 | 129,781円 |
10 | 岩手県 | 114,921円 | 33 | 北海道 | 129,783円 |
11 | 富山県 | 116,009円 | 34 | 和歌山県 | 131,176円 |
12 | 福島県 | 116,103円 | 35 | 高知県 | 132,508円 |
13 | 栃木県 | 117,011円 | 36 | 長崎県 | 133,414円 |
全国平均 | 117,195円 | 37 | 大阪府 | 134,219円 | |
14 | 三重県 | 118,037円 | 38 | 愛媛県 | 134,889円 |
15 | 鳥取県 | 119,035円 | 39 | 青森県 | 134,932円 |
16 | 滋賀県 | 119,858円 | 40 | 島根県 | 135,514円 |
17 | 福井県 | 119,865円 | 41 | 宮崎県 | 138,231円 |
18 | 沖縄県 | 120,220円 | 42 | 山口県 | 138,807円 |
19 | 岡山県 | 120,944円 | 43 | 熊本県 | 139,049円 |
20 | 広島県 | 121,681円 | 44 | 大分県 | 141,562円 |
21 | 奈良県 | 122,449円 | 45 | 山形県 | 142,577円 |
22 | 宮城県 | 122,631円 | 46 | 佐賀県 | 143,079円 |
23 | 岐阜県 | 122,710円 | 47 | 徳島県 | 145,629円 |
次に、各都道府県内の差も見ましょう。
順位 | 都道府県 | 平均(標準化保険料算定額) | 自治体名 | 最大 | 自治体名 | 最小 | 最大と最小の差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 北海道 | 129,783円 | 天塩町 | 190,870円 | 幌加内町 | 62,254円 | 3.1倍 |
2 | 沖縄県 | 120,220円 | 多良間村 | 175,904円 | 北大東村 | 66,359円 | 2.7倍 |
3 | 長野県 | 114,052円 | 小布施町 | 137,244円 | 根羽村 | 62,799円 | 2.2倍 |
4 | 東京都 | 107,388円 | 23区 | 114,664円 | 御蔵島村 | 56,234円 | 2.0倍 |
4 | 奈良県 | 122,449円 | 平群町 | 150,041円 | 下北山村 | 75,445円 | 2.0倍 |
4 | 島根県 | 135,514円 | 江津市 | 147,444円 | 知夫村 | 75,470円 | 2.0倍 |
7 | 山梨県 | 124,263円 | 富士川町 | 138,154円 | 小菅村 | 73,214円 | 1.9倍 |
7 | 京都府 | 124,878円 | 亀岡市 | 131,406円 | 伊根町 | 67,531円 | 1.9倍 |
9 | 千葉県 | 110,937円 | 長南町 | 127,074円 | 袖ヶ浦市 | 100,024円 | 1.8倍 |
9 | 福井県 | 119,865円 | 福井市 | 132,889円 | 池田町 | 72,387円 | 1.8倍 |
9 | 和歌山県 | 131,176円 | 湯浅町 | 158,251円 | 北山村 | 89,626円 | 1.8倍 |
12 | 秋田県 | 129,560円 | 五城目町 | 164,626円 | にかほ市 | 96,583円 | 1.7倍 |
12 | 愛知県 | 106,055円 | 名古屋市 | 122,782円 | 豊根村 | 72,164円 | 1.7倍 |
12 | 三重県 | 118,037円 | 松阪市 | 137,788円 | 大紀町 | 83,111円 | 1.7倍 |
12 | 徳島県 | 145,629円 | 阿波市 | 178,028円 | 上勝町 | 103,817円 | 1.7倍 |
16 | 青森県 | 134,932円 | 中泊町 | 164,010円 | 六ヶ所村 | 100,968円 | 1.6倍 |
16 | 山形県 | 142,577円 | 新庄市 | 153,844円 | 飯豊町 | 98,546円 | 1.6倍 |
16 | 埼玉県 | 102,533円 | 本庄市 | 113,650円 | 小鹿野町 | 73,249円 | 1.6倍 |
16 | 石川県 | 129,781円 | 加賀市 | 147764円 | 川北町 | 93,667円 | 1.6倍 |
16 | 岐阜県 | 122,710円 | 池田町 | 142161円 | 飛騨市 | 86,850円 | 1.6倍 |
16 | 福岡県 | 125,562円 | 桂川町 | 150879円 | 久山町 | 97,193円 | 1.6倍 |
16 | 鹿児島県 | 123,928円 | 日置市 | 136992円 | 三島村 | 84,705円 | 1.6倍 |
23 | 群馬県 | 113,813円 | 榛東村 | 133548円 | 南牧村 | 88,698円 | 1.5倍 |
23 | 兵庫県 | 127,073円 | 尼崎市 | 150070円 | 香美町 | 97,252円 | 1.5倍 |
23 | 愛媛県 | 134,889円 | 久万高原町 | 153476円 | 上島町 | 105,283円 | 1.5倍 |
23 | 高知県 | 132,508円 | 南国市 | 140287円 | 東洋町 | 95,069円 | 1.5倍 |
23 | 熊本県 | 139,049円 | 錦町 | 153,222円 | 水俣市 | 99,465円 | 1.5倍 |
23 | 大分県 | 141,562円 | 竹田市 | 151,567円 | 姫島村 | 99,550円 | 1.5倍 |
23 | 宮崎県 | 138,231円 | 都城市 | 151,268円 | 西米良村 | 99,299円 | 1.5倍 |
30 | 神奈川県 | 103,669円 | 湯河原町 | 131,988円 | 綾瀬市 | 91,136円 | 1.4倍 |
30 | 静岡県 | 113,860円 | 吉田町 | 125,016円 | 川根本町 | 86,734円 | 1.4倍 |
30 | 鳥取県 | 119,035円 | 若桜町 | 147,569円 | 伯耆町 | 102,703円 | 1.4倍 |
30 | 岡山県 | 120,944円 | 井原市 | 148,206円 | 矢掛町 | 105,297円 | 1.4倍 |
30 | 広島県 | 121,681円 | 呉市 | 132,901円 | 神石高原町 | 92,658円 | 1.4倍 |
30 | 長崎県 | 133,414円 | 川棚町 | 158,591円 | 佐々町 | 110,787円 | 1.4倍 |
36 | 栃木県 | 117,011円 | 鹿沼市 | 145,962円 | 野木町 | 110,560円 | 1.3倍 |
36 | 新潟県 | 123,615円 | 粟島浦村 | 134,449円 | 刈羽村 | 105,624円 | 1.3倍 |
36 | 富山県 | 116,009円 | 上市町 | 129,477円 | 舟橋村 | 96,116円 | 1.3倍 |
36 | 滋賀県 | 119,858円 | 栗東市 | 132,939円 | 多賀町 | 100,564円 | 1.3倍 |
36 | 大阪府 | 134,219円 | 高石市 | 149,347円 | 千早赤阪村 | 112,322円 | 1.3倍 |
36 | 山口県 | 138,807円 | 宇部市 | 151,629円 | 田布施町 | 117,329円 | 1.3倍 |
36 | 佐賀県 | 143,079円 | 江北町 | 153,230円 | 玄海町 | 119,174円 | 1.3倍 |
43 | 茨城県 | 108,861円 | 境町 | 123,584円 | 八千代町 | 103,994円 | 1.2倍 |
43 | 香川県 | 123,594円 | 多度津町 | 133,779円 | 小豆島町 | 109,171円 | 1.2倍 |
【出所】国民健康保険の保険料には地域差がある?安い都道府県や自治体は?高いのはどこ?ランキングで紹介
いかがでしょうか。
都道府県でも差はありますが、都道府県内でも大きな差があります。
地域差が生じる理由は自治体の財政状況や保険料の算定方式の違いがあるようです。
都道府県では、安さ1位の埼玉県と47位の徳島県で約1.4倍の保険料の差があります。
都道府県内でも、北海道では、天塩町と幌加内町で3.1倍の差があります。
これだけ大きく異なるので、国民健康保険の保険料負担について少し注意が必要です。
まとめ
会社時代と比較し同じ所得であれば、負担する社会保険料(年金+健康保険)はあまり変わらないかなと思います。
しかし、厚生年金にあった報酬比例部分がなくなるので、将来貰える年金は大きく減ることになります。
いかに会社員が恵まれていたか、になりますね。
ただし、法人を設立し厚生年金に加入すれば、報酬比例部分の年金も受け取れるので将来の年金対策は可能です。
さて、まとめです。
年金
- 厚生年金から国民年金になり、収入によらず令和4年は月額16,590円になります。
- 負担額は会社員時代よりも減る可能性が高いが、将来受け取る年金額は減ります。
健康保険
- 健康保険組合等から国民健康保険になり、所得やお住まいの市町村で異なります。
- 会社折半がなくなるので同じ収入ならざっくり約2倍前後のイメージでよいかと思います。
おまけ
所得税や住民税は所得次第のため、会社員時代と同じ感覚でOKです。
個人事業主の場合は、個人事業税も発生します。
なお、個人事業主の場合は確定申告は必須となります。
以上です。
少しでも皆様のお役に立てれば嬉しいです。