こんにちは。元リーマン埼玉 (@saitamawoker)です。
私は、2022年に33歳、資産3000万円でサイドFIREを開始しました。
今回は、「人生が激変する手取り70%投資」というテーマでお話しします。
私は、2020年にブログ「三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイアを目指してみた」を知り、「FIRE」という概念も知りました。
三菱サラリーマンさんは、手取り80%投資を実践されている方で、その方がおるんかと当時衝撃を覚えました。
ただ、私自身も振り返ると、2020年当時で60~80%の貯蓄率を達成していました。
浪費家時代は月間の平均貯蓄率は「マイナス」をたたき出してました。
これはマズイと思って、必死に支出を見直した結果でもあります。
もちろん、手取りの70%、80%を投資に回すのは、おかしいやろ!不可能や!というご意見もあると思います。
ただ、実践することはどれも基本的な行動の積み重ねになります。
あなたの貯蓄率が少しでも増え、日頃の節約や資産形成のモチベーションが高まれば嬉しいです。
日本人の貯蓄率の実態
そもそも、お隣さんは収入のどれくらいを貯蓄に回しているのか?
金融広報中央委員会の家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)から、単身世帯と二人以上の世帯の貯蓄率を見ます。
ここでいう「貯蓄」とは、金融資産としての貯蓄という定義になります。
「金融資産」とは、預貯金、金銭信託、積立型保険商品、個人年金保険、債券、株式、投資信託、財形貯蓄などの金融商品が該当します。不動産は該当しません。
単身世帯:手取りからの平均貯蓄率は13%
単身世帯において、手取り収入からの平均貯蓄率は「13%」です。
年代別では、若い世代が平均13%より高い貯蓄率になっています。
- 年代別の平均貯蓄率
- 20歳代:16%
- 30歳代:15%
- 40歳代:16%
二人以上世帯:手取りからの平均貯留率は11%
二人以上世帯において、手取り収入からの平均貯蓄率は「11%」です。
年代別では、若い世代が平均11%より高い貯蓄率になっています。
- 年代別の平均貯蓄率
- 20歳代:16%
- 30歳代:14%
- 40歳代:12%
しかしながら、単身世帯よりは貯蓄率は低下していますね。
これは子育て、教育費等の影響があるかもしれません。
収入の何%を貯蓄に回せば優秀なのか?
統計データでわかる区切りでは、35%以上が最上位になっています。
手取り収入の35%以上を貯蓄に回しているのは、単身世帯で上位11.4%。二人以上世帯では上位7.4%。
以下の年代別の結果からも、貯蓄率35%以上はかなり少数です。
- 単身世帯の年代別
- 20歳代:16.0%
- 30歳代:10.5%
- 40歳代:15.4%
- 二人以上世帯の年代別
- 20歳代:13.6%
- 30歳代:7.7%
- 40歳代:7.6%
三菱サラリーマンさんの手取り80%投資、私も実践していた70%投資はかなり変態な分類ともいえます。
手取り70%投資の生活実態
手取り70%投資の生活実態を見ましょう。
日本の平均年収で生活をシミュレーションします。
日本人の平均年収は約440万円と言われています。
平均年収440万円の手取りは約350万円ほどです。
単身世帯は、月間の生活費8万8千円
単身の場合、手取り年収を12分割して手取りの月収は、29万2千円となります。
投資に回すお金は、70%で20万4千円となります。
生活費は、手取りの30%で8万8千円です。
東京で一人暮らしされている方は難易度が高いかと思います。
しかし、実家暮らしの方、地方で生活されている方なら、少し現実的な数字です。
私も実家暮らし&車保有で生活費を約9万円以下に抑えていました。
夫婦共働きなら、月間の生活費17万6千円
夫婦共働きで二人とも平均年収に該当する場合は、世帯収入が880万円、手取りが約700万円。
手取りの世帯月収は約58万円です。
投資に回すお金は、約41万円で、生活費は17万6千円です。
夫婦共働きで子供がいない場合は、二人で節約を頑張れば、比較的現実的な数字かなと思います。
手取り70%の資産形成シミュレーション
手取り70%投資の資産形成シミュレーションを行います。
貯蓄ゼロの状態から、資産100万円、500万円、1000万円、3000万円までどれくらいの年数で達成するのかシミュレーションします。
以下、前提です。
- 前提
- 資産500万円までは100%貯金とします
- 資産500万円超からはすべて投資に回すとします
- 投資は全世界株式(MSCI グローバル株式インデックス シリーズ)に100%投資するものとします
- 利回りは7.0%で見積ます。全世界株式の1988年から2021年までの平均利回り10.7%より低く見積もります。
- 簡単なシミュレーションのため、物価などインフレや将来的な増税は考慮せず、収入も平均年収約430万円(手取り約350万円)で一定とします
単身世帯:資産ゼロから10年以内に資産3000万円が現実的になる
前節の流れから、毎月の貯蓄額は20万4千円です。
仮に貯蓄がゼロで、貯金だけをした場合は、貯金100万円まで「5か月」で達成できます。
貯金500万円は、2年1か月です。
1000万円までは、その倍で4年2か月となります。
仮に、500万円までは貯金を行い、500万円以降はすべて全世界株式に投資するとします。
資産1000万円までは、500→1000万円が1年11か月で、ゼロから1000万円までちょうど4年。
2000万円までは、500→2000万円が5年2か月で、ゼロから2000万円まで7年3か月です。
さらに、3000万円までは、500→3000万円で7年9か月、ゼロから3000万円で9年10か月となります。
日本の平均年収でも生活を工夫すれば、10年以内に資産3000万円が見えてきます。
夫婦共働き世帯:資産ゼロから5年目で資産3000万円が現実的になる
世帯の貯蓄額は40万8千円です。
仮に貯蓄がゼロで、貯金だけをした場合は貯金100万円まで3か月で達成できます。
貯金500万円は、1年1か月です。
1000万円までは、その倍で2年1か月となります。
仮に、500万円までは貯金を行い、500万円以降はすべて全世界株式に投資するとします。
資産1000万円までは、500→1000万円が12か月で、ゼロから1000万円までちょうど2年1か月です。
2000万円までは、500→2000万円が2年10か月で、ゼロから2000万円まで3年11か月です。
さらに、3000万円までは、500→3000万円は、4年5か月、ゼロから3000万円は、5年6か月となります。
あなたの目標資産とそれまでに頑張れる年数は?
以上のように、平均年収で節約に励み、手取りの70%を投資に回すことで次のことがわかりました。
単身世帯なら、ゼロから資産1000万円まで4年、2000万円まで約7年、3000万円まで約10年で到達することがわかります。
二人以上の世帯なら、ゼロから資産1000万円まで約2年、2000万円まで約4年、3000万円まで約5年半で到達することがわかります。
早く1000万円貯めたい、3000万円貯めて、セミリタイア、サイドFIREに挑戦してみたいという方、目標として頑張ることができる年数ではないでしょうか?
独身の私は、資産170万円の時に節約家になりました。
170万円から1000万円は3年4か月、1000→2000万円まで1年6か月、2000→3000万円は12か月で、170万円から3000万円までは5年10か月で達成することができました。
これは、コロナショックの暴落から株式相場の急回復の波に乗れたという特殊要因もあります。
そのような外部環境をうまく生かせば、先ほどのシミュレーションより早く達成も可能ですし、株式相場によってはその逆も十分ありえます。
あくまでもシミュレーションですが、資産形成の1つの目安(マイルストーン)として頂ければと思います。
手取り70%投資の実現方法
手取り70%投資の実現方法に触れます。
手取りの70%を投資に回すなんて、そんなの無理だ、できるわけない、と思われる方いらっしゃるでしょう。
もちろん、平均年収440万円で東京での一人暮らしの場合はハードルは高いでしょう。
70%ではなく、20~40代の平均貯蓄率の15%前後、上位層にあたる35%を目標に頑張って頂ければと思います。
都心でも実家暮らしの方や、地方での一人暮らし、夫婦共働きの場合は節約のコツを掴めば、不可能な数字ではないと思います。
ここでは、実現方法について、「マインド」と「実践」の両方の観点から紹介します。
マインド編
マインドというと、少し内容がぼやけてしまうため、マインドを「価値観」「軸」「志」の3つに分解します。
これから、節約を頑張ろうとする方、FIREやセミリタイアに挑戦したいという方、色々な方がいるでしょう。
今回は、手取70%の実現に焦点をあてると、難易度がやや高いためブレない動機が必要です。
そのため、「志」→「軸」→「価値観」の順番にアプローチするとよいです。
志、軸、価値観と一緒じゃん、と思われるかもしれませんが全然違います。
価値観という土台の上に、自分が譲れない「軸」が立っていて、軸の上に自分が成し遂げたい「志」があり、その全体がマインドを形成しています。
例えば、浪費家時代の私は、次のようなマインドです。
- 志:高収入と社会的ステータスが幸せである
- 軸:高収入の大手企業に入社する、高級マンションを選ぶ、高級車を買う、ブランド品を身に着けるなど
- 価値観:定量的で比較できるものに重きを置く、他人や世間一般が羨ましいと思うものはよい
いきなり価値観を変えることは不可能です。
それは、今までの人生の経験など形成されてきているためです。
急に価値観を変えることは難しいです。
そのため、まずできることは、「なぜ節約したいのか」「なぜ貯蓄をしたいのか、資産形成したいのか」という「志」を見つける必要があります。
私の一例ですが、志は「つまらん会社の仕事に自分の寿命という時間を費やすのではなく、自分が心からやりたいことに時間とお金を費やせる状態になりたい。だから、セミリタイアを実現したい」などです。
志を渇望ともいえるかもしれません。
志が定まってくると、人生の「優先順位」=「軸」を決めることができます。
志を実現するために
- 新築のマンション必要ですか?
- 高級車は必要ですか?
- 高額なスマホ代必要ですか?
- ブランド品の洋服やバッグ、アクセサリー必要ですか?
- 見栄を張るような生活は必要ですか?
このようなことを自問自答し、生活における「軸」が定まってきます。
価値観はこの後、お話しします。
この軸に基づき、生活の見直しの実践に入ります。
実践編
先ほどの「軸」に基づき、生活を見直します。
もちろん、すべて節制して、仙人のような生活をする必要はありません。
自分が必要だというものにはお金を使いましょう。
人生の目的は、節約や資産形成ではなく、幸せに心地よく暮らすことです。
結果的に私は仙人のような生活をしていましたが、それでも結果的に楽しかったです。
これはあくまでも結果論です。
ただ、集中的に資産形成に励む時期は少しの我慢など必要でしょう。
500万円、1000万円など投資への種銭を作る時期です。
下表のように、自分の志、軸と照らし合わせ、生活を見直すと納得感や、さらに実践できている自分に肯定感が生まれてきます。
これが、節約や生活を工夫することが楽しくなる所以ともいえます。
生活費 | 浪費家時代 | 節約家 |
住居 | 東京都の二子玉川で一人暮らし | 実家 |
昼食 | 毎日外食 | ゆで卵2個持参 |
飲み会 | 週1~2回 | 原則行かない(資格勉強を言い訳に) |
スマホ | 格安スマホ | 変化なし |
娯楽費 | 友人とゴルフ、月1~2回飛行機や新幹線で国内旅行 | 原則行かない(資格勉強を言い訳に) |
洋服 | ブランド品 | ユニクロ(ほぼ買わない) |
ジム | 民間のスポーツジム利用 | 公園or公共施設資料 |
保険 | 未加入 | 変化なし |
軸に基づき実践すると、価値観も変わってくる
最初は少し我慢したり、瞬間的な欲求を満たせなかったりで、少しストレスが溜まるかもしれません。
しかし、軸に基づき実践した行動により、それが経験となり、自分の血となり、肉となり、骨となってきます。
つまり、価値観が自分にじわじわと沁みてくる感じです。
節約行動から価値観が変わる例として、私の一例ですが
- 洋服や財布なら、良い物は高くても長く使えるから結果的に良いなとか、愛着が湧くな~
- 趣味なら、散歩やサイクリングでお金を使った遊びよりも自然を感じるのも悪くないな~
- 飲み会なら、断ったら嫌われると思っていたけど、なんともないな~。自分の時間を大切にできてよいな~
以上ような気付きから、価値観も、ブランド志向や社会的ステータス志向などから、ミニマリストやシンプル思考、自然派、健康派などに変化していきました。
手取り70%投資が人生に与える影響
先ほどまでの価値観の変化が結果的に人生に好影響をもたらします。
人生の景色が変わるといも言えるでしょう。
モノの見方、経験の見方、そこにあるものの見方が変わるイメージです。
影響①:人生が楽になる
具体的には以下です
- 周りに流されなくなる
- ストレスが溜まらなくなる
志が変わり、手取り70%投資を行う上で、お金を使う優先順位、つまり「軸」が定まることで、じわじわと価値観が自分にしみてきます。
具体的には、志と軸に基づき、日々の生活を実践することで、周りに流されなくなります。
結果的に自分の軸で生活しているので、良いこと、悪いことがあっても他者ではなく自分で決断した結果のため素直に受け入いれることができます。
そのため、ストレスは溜まりにくくなります。
影響②:資産形成が楽しくなる
自分の行動が結果となり、可視化されるとモチベーションを維持できます。
このような右肩上がりのグラフは見ていて気持ちよさがあるので、節約も楽しいと感じてきます。
もちろん、暴落などで資産が減少することもあります。
ただ、これまでの経験で短期ではなく長期的に見るクセが身についているので、大きくは気にならないようになります。
影響③:セミリタイアやサイドFIREが自分にとって現実的になる
資産形成のシミュレーションでもお見せしたように、目標資産までの年数がわかります。
もちろん、シミュレーションなので、将来の株式市場や自分の収入も不確定要素はあるでしょう。
しかし、手取り70%貯蓄である程度人生の目途がつきます。
闇雲に節約やインデックス投資を行って長いトンネルの出口が見えない状況ではなく、出口の光が見えます。
このトンネルの出口の光が、自分にとって現実的になるイメージです。
だから、頑張ることができます。
続けることもできます。
Wish you the best!